デル・マー競馬場の秋/冬開催

この週末は京都に出掛けていましたので、2日遅れのレポートとなります。

11月15日のアメリカ競馬は3つの競馬場でG戦4鞍、GⅠ戦は無く、芝を中心にしたGⅡとGⅢが行われました。
最初はアケダクト競馬場のレッド・スミス・ハンデキャップ Red Smith H (芝GⅢ、3歳上、11ハロン)。yielding の芝コースに1頭が取り消して10頭立て。今期は一般ステークス1勝のみながら、前走カナディアン・インターナショナル(芝GⅠ)2着のGⅠ2勝馬ビッグ・ブルー・キッテン Big Blue Kitten が4対5の断然ム1番人気。
マイクロマネッジ Micromanage が逃げ、ビッグ・ブルー・キッテンは最後方から末脚に賭ける展開。2番手を進んだ2番人気(7対2)のレジェンダリー Legendary が直線で先頭に立ちましたが、6番手で待機していた3番人気(6対1)のダイナミック・スカイ Dynamic Sky が思い切り内を衝いて一気に抜けると、外から追い込むビッグ・ブルー・キッテンを1馬身4分の1差抑えて優勝。更に2馬身差でブービー人気(39対1)のモルガノ Margano が3着に入りました。
マーク・カッセ厩舎、コーネリオ・ヴェラスケス騎乗のダイナミック・スカイは、前走カナディアン・インターナショナルではビッグ・ブルー・キッテンに2馬身差の3着だった馬で、G戦はこれが初勝利。これまで芝コースは5戦して未勝利でしたが、カナダ国際の前はトライアル戦のノーザン・ダンサー・ステークス(カナダ芝GⅠ)で2着しており、適性は充分に証明していた4歳馬。勝鞍は6月にウッドバインのアローワンス戦に勝って以来で、通算では20戦5勝となりました。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場からも芝のG戦2鞍。先ずコモンウェルス・ターフ・ステークス Commonwealth Turf S (芝GⅢ、3歳、8.5ハロン)は firm のコースに1頭が取り消して12頭立て。前走ジェファーソン・カップ・ステークス(芝GⅢ)の逃げ切り勝ちを含め2連勝中のハート・トゥー・ハート Heart to Heart がイーヴンの1番人気。
ここでもスピードを活かして先頭に立ったハート・トゥー・ハート、第4コーナーで後続を突き放すと、2番手追走の6番人気(17対1)アザー・チーク Other Cheek に3馬身4分の3差を付け、持ったままの楽勝で連勝を3に伸ばしました。4分の3馬身差で4番手を進んだ4番人気(8対1)のバシャート Bashart が3着に入り、所謂行った行ったの競馬。
ブライアン・リンチ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のハート・トゥー・ハートは、これで12戦5勝。8月20日にサラトガの一般ステークス(ベター・トーク・ナウ・ステークス)、9月27日のジェファーソン・カップ、そして今回と3連勝、GⅢも連勝で、勝ち時計1分41秒54は、ステークス・レコードという充実の秋を迎えています。

次はミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)。出走枠14を上回る18頭が登録していましたが、結局権利のある馬が全て参戦したため、4頭が除外となってフル・ゲートの14頭立て。フロリダ・オークス(芝GⅢ)馬のテスタ・ロッシ Testa Rossi が2対1の1番人気に支持されていました。
レースは9番人気(29対1)のキス・ムーン Kiss Moon が逃げ、直線でも渋太く粘ります。しかし前半7番手に控えていた3番人気(4対1)のスパークリング・レヴュー Sparkling Review が外から弾けるように抜け、後方2番手から追い込む2番人気(5対2)のレディー・ララ Lady Lara に2馬身4分の3差を付ける快勝。首差でキス・ムーンが3着に粘り、人気のテスタ・ロッシは後方10番手辺りから7着に上がるのがやっとに終わりました。
ベン・コールブルック厩舎、コモンウェルスに続きG戦ダブルとなるジュリアン・ルパルーが騎乗したスパークリング・レヴューは、6月20日のデビュー戦(チャーチル・ダウンズ)で5着した後、芝コースに転じてからはこれで4戦4勝と負け知らず。前走キーンランドのヴァレー・ヴュー・ステークス(芝GⅢ)に続くG戦連勝で、このあとはGⅠのタイトルを狙う流れでしょう。通算でも5戦4勝、遅れてきた芝の強豪です。

最後はデル・マー競馬場のボブ・ホープ・ステークス Bob Hope S (GⅢ、2歳、7ハロン)。去年までこの時期はハリウッド競馬場の秋開催で賑っていましたが、同競馬場が去年一杯で閉鎖、この代替としてこれまで夏場のみ開催されていたデル・マー競馬場に多くのレースが移管されることになりました。新しいレース名で行われるこの2歳戦は、ハリウッド時代はハリウッド・プレヴュー・ステークスとして施行されてきた一戦。条件に変更はありません。
ポリトラック・コースに1頭が取り消して8頭立て。サンタ・アニタのデビュー戦を快勝したオールライト・オールライト Alright Alright がイーヴンの1番人気に支持されていました。
しかし逃げたのは3番人気(6対1)のオール・インディアンズ All Indians 、オールライト・オールライトは後方2番手から追い込み策を採ります。3番手に付けていたブービー人気(17対1)の伏兵ノー・プロブレム No Problem が逃げ馬を捉え4角先頭で直線に入ると、この外に2番人気(9対2)のセント・ジョー・ベイ St. Joe Bay 、更に外からオールライト・オールライトがが並び掛ける3頭の叩き合い。結局は内のノー・プロブレムが、外のオールライト・オールライトを半馬身抑える逆転劇で、セント・ジョー・ベイは1馬身差の3着でした。
マイケル・マカーシー厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のノー・プロブレムは、9月のデビュー戦が8着、前走10月26日にサンタ・アニタのクレーミング・クラスのレースに勝ち、今回がステークス・デビューでした。マカーシー師はトッド・プレッチャー師のアシスタントを務めていた方で、今年から自身の厩舎をスタートさせ、これがG戦初勝利。実はプレッチャー師が資格停止を受けていた2007年の一時期に代理としてG戦4勝の記録はありますが、これはあくまでも事務的な記録。これが正真正銘のG戦勝利となります。
ところで勝ったノー・プロブレムの父は、今年の2歳が初年度産駒となるマニングス Munnings で、2着のオールライト・オールライトも同じマニングス産駒。彼にとってもG戦初勝利となります。マニングスは2歳時にシャンペン・ステークスを制した馬で、その後はスプリンターとして活躍しました。ボブ・ホープの2頭、クラシックでは距離の克服が課題になりそうですね。

 

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